こちらは駆け出し作曲家・Howling-Indicatorのお仕事日記です。
YouTuberや動画製作者に欠かせないBGM。多くの動画で、無料のBGMをよく耳にしますが、「被りがちの問題」があります。
そこで「差別化をしてみませんか?」と提案をしたところ、小林幸子様のマネージャーさんよりBGM制作のご依頼を頂きました。
トータルで3曲制作した時のお話を紹介させてください。
今回いただいたご依頼は以下の通りです。
かなりざっくりしていますが、事務所マネージャーさんからは参考曲を10曲ほどいただいたので、雰囲気を掴むには十分でした。
僕が考えたのは「ジャンルの違う3曲」にすること。過去の動画を細かくチェックして、ジャンルを設定しました。
動画にあうBGMを作るのは参考曲があるので寄せたらいいのですが、やはりチャンネル主人公の
をBGMに取り入れたくてジャンルを設定しました。
ラストはエゴが入っていますが、本当は参考曲で印象に残ったのがギターポップだったからです。
ジャンルが決まったので参考曲を聴いて、イメージを膨らませて1分30秒ぐらいのデモ制作。徐々にイメージが固まってきました。
ジャジーなポップは猫好きの小林幸子さんを考えての「自由気ままな猫」を表現して、エレクトロ系はKawaii-futurebassをちょっぴり意識。ポップロックは参考曲と過去に聴いてきた曲から出てきました。
イメージさえ固まればデモ制作は楽です。雰囲気がわかる程度なので3時間ほどで作り、PANはちょっと振って音量調整もなんとなくぐらい。
完成したのでマネージャーさんに送りました。
デモを雰囲気がわかる程度にしているのは、ガッツリ作り込むには時間がかかりますし、NGが出た後の修正にも時間がかかるためです。
お互いにとって良くないので、クライアントの了承を得た上で「雰囲気がわかる程度」にしています。
決していい加減に作っているわけではありません。
クライアントは音楽業界のプロなので、正直かなり緊張しました。
僕は「ダメだったらどうしよう?」とネガティブに考えるタイプです。「ダメだったら次を作るしかないよね」というポジティブな考えも持って対応しています。
幸いなことに「方向性はいいので、そのままお願いします」のお返事をもらったときは嬉しかったです。
OKをもらったので全体の構成を考えました。
インストだとジャンルによっては同じ進行の繰り返しになりますが、今回作ったデモは繰り返しではなかったので4分前後に仕上げるのに時間がかかりました。
「ああでもない」「こうでもない」を繰り返して1週間してやっと構成が決まってレコーディング。
僕は7割ぐらい編曲できたらミックス作業しながら足りない部分があれば足し、余計なトラックは削ります。
昔は「完璧にしてからミックスする」と決めていたのですが、いつまで経っても完成しないのでやめました。
「完璧主義者は曲を完成させることができない」なんて話も聞きます。
僕は投げ出すのが嫌なので、7割ぐらいできている曲には視覚的にわかりやすく「青いタグ」をつけて、優先的に仕上げ作業をしています。
「そろそろ仕上げたらどうなの?」と自分への言い聞かせタグでもあります(笑)
ミックス作業までくると一気にやり切りますが、耳が慣れてくるとダメなところがわからなくなるので、日を置いて仕上げています。
翌日に聴くと「キックがでかい」とかよくあるので慎重にしています。
ミックスやマスタリングは、専業のエンジニアでもない限り速攻で仕上げるのは難しいです。
最終ができたので送信すると修正が入りました。最近よく耳にする「イントロ長い問題」。
昔と比べて流行りの曲はイントロが短かったり、歌から入るのも多くなりました。時代を感じます。
幸いDAWならすぐに終わる作業。この時は上書き保存してしまいましたが、別ファイルに保存した方がいいです。
「やっぱり前のバージョンで」なんてこともありますから。ミックスファイル・マスタリングファイルも同じくです。
イントロを短くして再ミックス・マスタリングをして納品。無事にOKが出ました。
僕としては苦労して産み落とした3曲ですが、「作ったからといって使うとは限らない」という現実もあります。
そんなネガティブシンキングの中、嬉しいことにガッツリ使って頂きました。
著作権譲渡の契約ではなかったため、Audiostockにて販売もさせてもらっています。
YouTuberが増えてから同じようなBGMをたくさん聴くことが増えましたが、チャンネルの差別化・ブランド化のためにBGM作成を依頼をするのは大いにアリです。ココナラでは募集している方も見かけます。
もちろん、僕へのご依頼もありがたく承ります。お気軽に「お問い合わせ」よりご相談ください。
この記事が参考になれば幸いです。