Audiostockで審査に通らない理由と解決方法・コツを解説

Audiostock審査

Audiostockは自作したBGMや効果音を販売できるサイト。アーティストや音楽家の収入源を生んでくれます。

販売を始めようとする方にとって気になるのは審査でしょう。中には審査に通らずに困っている方もいるようです。

僕はAudiostockの利用を始めてから500点ほどのBGMと効果音を販売しています。

初期の頃は審査に落ちたりもしましたが、今では問題なく審査に通っています。

そこで「審査に通らない理由」や「通りやすくなるコツ」など、DTMや作曲を始めたばかりの方がAudiostockで審査が通りやすくなる方法を解説します。

Audiostockで審査が通らない4つの理由

Audiostockは審査に落ちた理由を教えてくれませんが、考えられる理由は4つあります。

  1. 著作権を侵害している
  2. 曲のクオリティーが低い
  3. 修正依頼を出せないほどノイズがひどい
  4. ミックス・マスタリングの質が低い

1つずつ解説していきましょう。

著作権を侵害していると判断された

初めて作った曲は、好きなアーティストの影響が強く出やすいです。

  • メロディーが既存曲と同じ
  • コード進行や楽器編成が同じ

パクったつもりはなくても、審査側にはパクリに聴こえることもあります。

本当にパクっていないのなら著作権の侵害にはなりませんが、Audiotsock側が「パクリ」と判断するほど似ているのなら仕方がありません。

販売する方にもリスクがあるので、審査で落とされるのは当然です。

解決策:アレンジして別の曲にする

アレンジして別の曲に仕上げ、もう一度審査を申請しましょう。


まずメロディーは変更してください。コード進行はそのままでもいいですし、キーを変えるだけでもガラッと曲の印象は変わります。

Logicでの例

楽器編制を変えるのも有効です。お試しください。

Audiostockのクオリティー基準を満たしていない

審査に通らない理由として考えられるのは「曲のクオリティーが低い」ことです。

Audiostockは販売サイトなので、一定のレベルを満たしていないと審査に通りません。サイトのイメージもありますし、購入するお客のことも考えると当然ですね。

問題になるのは「一定のレベル」がどこなのかです。

プロクオリティーを求めているわけではありませんが、商品として成立していなければ審査には通りません。

  • リズムがバラバラ
  • 曲として成立していない
  • ボーカルのピッチがあっていない

他にも理由はありそうですが、最低限の基準を満たしているのかどうかが重要です。

解決策:人に聴いてもらうか既存曲と比較する

商品として成立するかどうかは、一般の人が聴いてどう思うかです。

友達や知り合いに曲を聴いてもらい、率直な意見をもらいましょう。「悪くないんじゃないの」ぐらいならセーフです。

Audiostockの人気曲を聴いてみて、客観的に判断してみるのもいいでしょう。

Audiostockの人気曲

「人気曲と比べても」と思う方は、僕の曲と比べてみてください。大したことありませんから(笑)


ダメだと思ったら再レコーディングや、アレンジして再挑戦してください。

修正依頼を出せないほどノイズがひどい

ピアノやギターなどの生音をレコーディングしていると、ノイズが問題になってきます。

多少なら問題なかったり指摘されるので、修正すると審査は通りますが、酷すぎると修正依頼すらきません。

  • 外を走る車の音が聞こえる
  • カラスの鳴き声が入っている

大音量でモニターしてみると気付くことも多々あります。

商品としての音楽にノイズは入っているのは、売り物の食器にヒビが入っているのと同じです。審査が通らなくても仕方ありません。

解決策:ノイズ対策&モニター環境を整える

マイクを使う場合はノイズゲートをかけたり、防音の設備を整えましょう。ノイズゲートはDAWに標準装備されています。

Logic標準のノイズゲート

スピーカーでは気づかないノイズもあるのでヘッドホンは必須です。

安いイヤホンやヘッドホンでは聞き取れないこともあるので、最低でも1万円以上はするものを使いましょう。

業界標準のモニターヘッドフォン「SONY MDR-CD900ST」なら安心です。

愛用しているCD900ST

小さなノイズもモニターできるので、持っておきたいヘッドフォンの1つです。

ミックス・マスタリングの問題

作曲ができるようになっても、最初につまづくのがミックスです。

  • PANを振る
  • EQで音域の被りをカットする
  • コンプレッサーをかけて音をまとめる

やることが多いですし、初めての人には意味がわかりません。

なんとなくでやってしまうと、キックやスネアがデカすぎたり、変な位置にピアノの音があったり、意味のわからないバランスになりがちです。

結果的に曲のクオリティーが下がってしまい、審査に通らないことになります。

解決策:練習するか人に頼む

ミックスで大事なのは、参考の音源を聴いて真似することです。カンタンにはいきませんが、慣れるまでやり続けるしかありません。

コツなどを紹介しているYouTube動画はたくさんありますが、真似するのが一番の早道になります。

プロのサウンドクリエイター「ユーフルカさん」の動画を参考にしてください。

マスタリングも同じですが、ミックスを依頼するのもアリです。

無料でやってくれる人をSNSで募集してもいいですし、ココナラなどのクラウドソーシングで募集してみてください。全部一人でする必要はないのですから。

手っ取り早い解決方法もありますが、後で紹介します。

Audiostockで審査に通りやすくなる4つのコツ

すでに曲を作っている方も、これから作る方も、まずは「Audiostockで審査が通った」という実績を作ってほしいです。

そこで初めての方でも「審査に通りやすくなるコツ」を4つ紹介します。

著作権切れの曲をアレンジする

最初は誰もが「自分だけのオリジナル曲」を作ろうとしますが、とても難しいです。

  • 誰も聴いたこともない曲にしようとして構成が複雑になる
  • いつまで経っても完成のゴールが見えなくなる

大体はどちらかになって、曲作りをやめてしまいます。

作曲の勉強は既存曲のコピーが一番いいのですが、楽器を触ったことも音楽の勉強をしたこともない方には難しいです。

そこでオススメなのが「著作権が切れている曲のアレンジ」です。

クラシックや童謡がオススメ

例えば誰もが知っている「きらきら星」がオススメです。耳で聴き取りやすいですし、オルゴールだけでアレンジするなら難しくありません。

譜面のデータと打ち込み画面を貼っておくので、自由にアレンジしてください。

きらきら星
Logicでの打ち込み画面

童謡も聴き取りやすいのでオススメです。意外と需要はあるので、審査に通りやすいだけではなく購入されることもあります。

つまらないと思うかもしれませんが、審査に通す最初の1曲としては最適です。

音の数・トラック数を少なくする

作曲やDTMを始めたばかりだと、いろいろな楽器や音をたくさん使って、豪華な曲に仕上げようとしがちです。

結果的にミックスバランスはぐちゃぐちゃになり、マスタリングもうまくいかなくなります。

そこでオススメなのが、音の数やトラック数を少なくすることです。

  • 音符を少なくする
  • 「ピアノとギターだけ」のように少ない楽器編成にする
  • 「木琴だけ」のように楽器を一つに絞る

これだけでミックスは劇的に楽になり、マスタリングの必要がなくなることもあります。

裏技・ミックスやマスタリングはAIに任せる

ミックスやマスタリングはAIに頼るのも一つの手段です。

neutron
ozone

ミックスはiZotopeのNeutronに任せて、マスタリングはOzoneにお任せの人もかなり多いのではないでしょうか。

僕も曲によっては全てお任せしています。

短い曲を作ってAudiostockの審査を受ける

まずは1分でも10秒でもいいので、短い曲を作って審査を受けてみましょう。

YouTuberがオープニングで使っている曲もありますし、短時間の動画広告でも使いやすいので需要はあります。

審査に落ちるかもしれませんが、長い曲を作り直すよりも労力は軽いです。

初めて曲を作ろうとすると「3分~5分ぐらいの曲を作る」とこだわりがちですが、短い曲でも問題ありません。

合格したらアレンジして長くするのもアリなので、まずは審査に通ることを目標に短い曲を作ってみましょう。

曲ではなく効果音を作る

まず審査に通すことが目的なら、効果音を作ってみませんか?

Audiostockは曲だけではなく効果音も販売できますし、需要も高いです。

例えば、僕が作ったこちらの音はよく購入されています。

カンタンに作れそうですよね?

効果音と聞くと「足音」「海の音」を思いつきますが、シンセサイザーを使ったSEの販売もできます。

DAW標準装備のシンセでも十分なので、ゲームのスタート音や番組の場面転換などなど、思いついたものを作ってみましょう。

2023年8月から審査が厳しくなった

2023年の8月より報酬体型が変化。この時期からSNSやブログなどで、クリエイターから「審査がさらに厳しくなった」という声を聞くようになりました。

いくつかアップしてみて何が変わったのかを考えてみたところ、「質」について厳しくなった感じはあります。「商業的観点でのクオリティの有無」にポイントがありそうです。

「曲の良し悪し」については、今までと同じく判断はしていないと思われますが、AIの台頭によって「AIが作る曲以上、もしくは同等の質」が審査基準になっているのはないでしょうか。

「厳しくなったのならもういいや」と考えるのもありですが、アレンジ力を鍛えたり、ミキシング力を鍛える機会にもなります。それに、今までレッドオーシャンだったAudiostockからライバルが減ると考えると、やる気も出るのではないでしょうか。

ちなみに、審査に通る時はすんなり通ります。

Audiostockは何度でも審査申請できるので落ちても大丈夫

Audiostockは審査に落ちても、アレンジすると再審査してもらえます。あまり気にせずに曲ができたら申請してみましょう。

そもそも審査している方は一人じゃないと思うので、全く同じものを審査申請してみると通る可能性もあります。

それでもなかなか通らないようでしたら、ここまでの方法をお試しください。

一番いいのは「まず人に聴いてもらうこと」です。

知り合いなら意見も出してくれるので、参考にしてアレンジしていきましょう。

審査に合格することをお祈りしております。