駆け出しの作曲家がヒーリングBGMの依頼を受けた時の話

こちらは駆け出し作曲家・Howling-Indicatorのお仕事日記になります。

これから作曲家を目指す人に少しでも参考になる内容になればと思い、キーボードを叩いています。

作曲の実績作りのため、クラウドワークスで仕事を探していると、企業さんから「ヒーリングBGMを作ってほしい」とご依頼のメールがありました。

当時のヒーリングBGMを作曲したお話を紹介させてください。

依頼内容:ヒーリングチャンネルのBGM

今回いただいたご依頼は以下の通りです。

細かい依頼内容

  • ヒーリングBGMの作曲
  • 5分ぐらい
  • リピートさせて1時間にする

いつの頃からか、YouTubeでヒーリング系のBGMがたくさんアップされるようになりました。特にソルフェジオ周波数を入れた動画が人気です。

一時期クラウドワークスでは、この動画のようにメロディーらしいものはなく、パッド系メイン曲制作の募集が並んでいました。

作るのが簡単と思われているのか、かなり安めの予算で募集されているのをよく見かけましたね。(実際には簡単ではありません)

僕がいただいたご依頼も同じような曲かと思いきや、もっと音がはっきりしているヒーリングBGMでした。

ヒーリングBGMの種類

ヒーリングBGMは種類が豊富で奥も深いです。

  • 瞑想系
  • オルゴールメインの睡眠系
  • 大自然を感じる壮大なBGM

参考曲がわからないと間違いなく迷子になるので、イメージを聞いてみると、僕がYouTubeにアップしている動画の感じでOKです!とお返事がありました。

ヒーリングBGMはAudiostockにアップするように書き溜めてあるので、その中から一つ選びました。

ざっくり版のデモを制作して提出

すでに大元の曲ができている状態だったので、デモを作るのは早かったです。音色を選んでメロディーを追加。10トラックもなかったと思います。

あまりにもトラックを重ねてデモでNGが出てしまうと、お互いに時間が無駄になってしまうので、僕は「まずはざっくりしたデモを送ります」と伝えた上で制作しています。

完成したのでクライアントに送りました。

自分なりのヒーリング制作

ヒーリングにも種類があるので「これ」と決まった作り方はないのですが、基本的にはコード進行は少なく、転調はしないようにしています。また用途にもよりますが、僕は自然の映像や写真を見ながら作曲することが多いです。

デモは一発でOK。僕の曲を聴いただけで「これは山の雰囲気ですよね」とすぐに理解してくれる方だったので、嬉しい気持ちになりました。

時に感性が似ているクライアントさんと出会いますが、一緒に仕事をしていて楽しいです。

完パケにするまで

ヒーリングやアンビエント系のBGMを作るのに欠かせないのがソフト音源です。僕にとってOmnisphereは外せません。

曲の構成はできていたので、あとは味付けです。単調になりやすいヒーリングですが、パッドやアンビエンスなど付け加えて、さらにはオートメーションを書いて曲の展開をいくつか入れています。

デモと比べるとトラック数は極端に増えるので、DAWは重たくなりがちです。アンビエンスはMIDIデータをいじることはほぼないので、すぐにオーディオ化。できるだけCPUに負担をかけないようにしています。

ミックスが難しい

少ないトラック数だとミックスは楽ですが、多くなるほど処理が難しくなります。今でも慣れていません。

ヒーリング系だと空間をかなり意識して、低音の処理は特に注意しながらやっています。左右に広がりすぎると気持ち悪くなりますし、ホラーテイストになってしまうからです。

左右に広がりすぎた例

低音はできるだけステレオイメージャーなどで幅を狭くして、スッキリ聞こえるようにしています。広げた方が効果的な場面もあるので、「これが正解」というわけではないのでご注意を。

ミックスが終われば翌日に確認して、問題なければマスタリング。今回はYouTubeでのご利用だったので、ラウドネスは-14ぐらいに調整して納品しました。

一度も修正なく、一発でOKだったのは気持ちよかったです。

オリジナルのヒーリングBGMを作ります

すでに作っていた曲をもとに編曲したので、ご依頼から納品まで3日でした。気持ちよく仕事もできて楽しい案件でした。

ヒーリング曲が流行っているということは、「お疲れの皆さんが多いのかなあ」と変な心配もしています(笑)自分で作った曲を聴いて癒されたりもするので、わからなくもありませんが。

最近アップした動画を貼っておきます。

満点の星空の元で思いに耽るようなヒーリングです。

他のクライアントからも依頼を受けることがあるので、ヒーリングを作るのは得意なのかもしれません。もしも作曲をご希望でしたら、お気軽に「お問い合わせ」よりご相談ください。

この記事が参考になれば幸いです。