20年住んできた経験から語る─音楽活動をするための東京一人暮らし

東京

まず最初に、僕は音楽活動をするために上京して一人暮らしをするのはオススメしていません。

すでにプロとして活動しているアーティストなら事務所にお世話になるなり、自由にしてもらっても構いませんが、アマチュアで「これからプロになる!」という心構えで上京するのは反対です。なぜならほぼ確実に時間の無駄に終わるからです。

高校を卒業して音楽専門学校に通うため田舎から上京し、20年以上も東京に住んできた僕から可能な限りのアドバイスをさせてください。

音楽活動をしたいのなら東京には住むな

僕が上京して住んだのは、板橋区の小竹向原という場所でした。当時は東京メトロ有楽町線・西武有楽町線(地下鉄)の駅になっていて、池袋までは10分程度で乗り換えも考えると都心までのアクセスは抜群の地域です。

駅前にはファミレスとスーパーがいつくかあった程度で都会っぽさは一切なく、「東京と言ってもこんなものか」という感想でした。

アパートは4畳半程度の1kで壁は薄くてユニットバス。洗濯機は置く場所がなくて共用でした。駅までは徒歩10分程度だったでしょうか。これで家賃は5万円です。地方と比較してみると、かなり高いことがわかりますね。

壁が薄いと楽器の練習ができない

初めての一人暮らしだったので最初は楽しかったものの、壁が薄いためエレキギターの練習はヘッドホンを装着しての練習しかできないだけでなく、生音も隣に聞こえていたようで、管理会社からクレームがありました。

それからは隣人がいないのを確認してから練習するしかなく、不便に感じたのを覚えています。おそらく、東京のアパートならどこでも「楽器の練習ができない」という問題が付きまといます。

東京に住みたいのなら23区外

同じ東京でも「23区内」と「23区外」で家賃は変わってきます。交通の便にもよりますが、東京に住みたいのなら23区外をお勧めします。5万円なら探せばマンションもありますし、エレキギターの生音でクレームは出てこないはずです。

また、23区内なら隣のアパート・マンションの隙間も狭いのですが、23区外なら多少は緩和されるため、日当たりや風通しも良くなります。

家賃を考えるなら東京近郊がベスト

東京で音楽活動をしたくても、東京に住む必要はありません。23区外なら家賃は安くなりますが、東京を離れるとさらに家賃は下がりますし、楽器の練習もしやすくなります。

練習

交通の便は東京近郊なら問題ありません。例えば埼玉の和光市なら池袋までは電車一本ですし、駅前も東京の住宅街とほぼ変わらない街並みです。頻繁に東京へ電車移動するなら交通費の問題があるので話は別ですが、そうでのないなら東京近郊に住むことをお勧めします。

なお、横浜あたりは東京23区内とあまり家賃の差はないのでお勧めできません。埼玉か千葉で交通の便がいい場所をお勧めします。

バンドメンバーと一緒に住む

一人暮らしと趣旨は違いますが、4人編成ぐらいのバンドで上京するなら東京近郊の20万ぐらいのマンションを借りてみましょう。これなら一人5万円で、光熱費などは共用なので安上がりになります。運命共同体として協力していきましょう。

無駄な出費を可能な限り減らして音楽活動をすべし

音楽活動には何かとお金がかかります。しかも東京に住んでいたり活動していると、さらにお金がかかってしまいます。音楽のために上京してきたはずが、活動資金を貯めるための労働がメインになり、音楽活動を辞めていくアーティストは数え切れないほどにいます。事前に活動方針を考えて出費を減らしていくべきです。

リハーサルスタジオはレコーディング・ライブ前のみ借りる

バンド活動なら週に数回程度、リハーサルスタジオを借りて練習するのが当たり前でしたが、やめておきましょう。はっきり言ってお金の無駄です。

「みんなで音を出せて楽しい!」と思う気持ちは非常によくわかるのですが、リハーサルスタジオは「リハーサルをする場所」です。レコーディング・ライブ前の練習で借りるだけでにしてください。1時間あたりのレンタル料は安く感じますが、積み重ねると大きな出費になります。練習は自宅でやるものです。

作曲・編曲はメンバーの自宅でする

作曲はスタジオを借りてするものではありません。担当者が自宅でして、弾き語りでもいいのでスマホなどに録音し、メンバーにデータを送ってください。あとは、メンバーと話し合いながら編曲していき、満足する形にしてレコーディングの予定が出てきてからリハーサルスタジオを借りて合わせてください。

元になる音源さえあれば、今はSkypeやズームなどネットでミーティングはできる時代ですし、DTMでデータを打ち込んで交換しながらの作曲も可能です。上京してお金がかかる場面が多いのですから、楽もできてお金もかからない方法を選びましょう。

ボーカルの個人練習はカラオケへ

バンドの中でもボーカリストは、自宅で練習するのが最も難しいです。防音設備が整っている住宅を借りているのなら問題ありませんが、そこまで資金はないはず。マイクを使っての練習なら個人でリハーサルスタジオを借りるか、安く済ませたいのならカラオケ一択です。録音もしてピッチの確認もできるようにしておきましょう。

ドラム&ベースは合わせたほうがいい

フレーズなどの練習は自宅でもできますが、ドラムとベースは個人だけではなく、スタジオで合わせて練習したほうがいいです。「リズム隊」というぐらいですから、2人の息はあっているべきです。

2人なのに「個人練習」という形で利用できるスタジオもあります。僕が良く利用させてもらったのはスタジオNOAHです。

最大の問題点:音楽活動をするための生活費

東京で活動するにあたって最大の問題点は生活費です。アマチュアからプロになれたとしても、すぐに食べていくことはできませんし、当面は生活費を稼いでいく必要があります。

生活費は全て払ってもらう

東京で一人暮らしをする最大のデメリットは、家賃などの生活費が高くなることです。物価に関しては想像しているよりも高くはないというか、スーパーなどに売っている商品の値段は地方とほぼ変わりません。下手をすると、地方より安いお店もあります。

上京して失敗しているアマチュアアーティストの多くは、生活費のためのバイトに時間を奪われています。仕事がメインになって音楽活動はおろそかにするのはダメです。生活費は親などに払ってもらい、音楽活動に集中するのがベストです。

バイトをするなら東京の高時給バイト

親からの仕送りに期待できないのなら働くしかないのですが、音楽活動をおろそかにできないので、働く日数はできるだけ抑えたいところ。ファミレスやコンビニのバイトならすぐに見つかりますが、時間を奪われてしまいます。

東京なら短時間で稼げるバイトもたくさんあります。ほとんどはキツイ仕事や水商売になりますが、音楽活動に集中したいなら選択肢の一つになります。

理想は東京近郊に住んで家賃を安く済ませて、東京で高時給のバイトをすることです。

東京の「人の多さ」を最大限に生かして応援してくれる人を見つける

音楽活動をしていくには、やるべきことがたくさんあります。レコーディングやホームページの制作。最近ではYoutube動画の作成も当たり前になりつつあります。

一人で全部できなくもありませんし、バンドでの活動なら担当を割り当てて作業することもできますが、やってくれる人を探したほうがいいです。もちろん払えるようなお金はないので「無料でやってくれる人」を見つけてください。ネットを利用しても見つけることはできますが、無料でやってもらう以上は顔は合わせていたほうがいいですし、感謝もしやすいです。

あなたを応援してくれる人なら手伝ってくれます。普段から近所を飲み歩いたりして、色々な人と交流していきましょう。これは人が多い東京の強みだと言えます。

ホームページ・ブログなどのWEB製作者

ホームページやブログは持っておかないと、アーティスト活動をしていることを教えても、音源などを確認できないので応援しようがありませんし、ライブがあってもスケジュールがわかりません。

最近ではWordpressなどで簡単に作れるようになっていますが、慣れるまでに時間はかかるため、簡単なものでもいいので無料で作ってくれる人も見つけてください。ホームページを作れる人は意外と多いです。

見つからなければアメブロなど無料で利用できるブログでもOKです。

ライブで重宝するフォトグラファー

ウェブ上に載せる写真や、ライブの写真を撮ってくれる人はいたほうがいいです。

僕は飲み屋で仲良くなったプロの方に無料でお願いしていました。非常に図々しいお願いだったのに、しっかりとプロ仕様の写真でありがたかったです。

最近はスマホにも高性能なカメラがついているので、プロに頼まなくても良さそうですが、上手な人がいるならお願いしてみましょう。

専属のレコーディングエンジニアを見つける

DTMができる人は増えてきているようで、「レコーディングをしてみたい」というアマチュアもいます。メン募を見てみると、たまに「無料でやります!」という人もいるのでお願いしてみましょう。

相性が良ければメンバーにして専属のレコーディングエンジニアになりますし、慣れてきたらライブでのミキサーもお願いすると理想的なライブがしやすくなります。

Youtubeなどの動画編集者

Youtubeの動画は無料でアップできますし、今では最も効果的なプロモーション方法ですが、動画の編集は面倒でもあり時間もかかります。どれぐらいの頻度でアップするのかにもよりますが、できれば誰かに頼みたいところです。簡単なものなら無料で編集してくれる人もいるとは思うので探してみましょう。

今後は、アマチュアアーティストでもYoutubeチャンネルを持っているのは当たり前になると思うので、多少は編集できるようになっておいたほうが良さそうです。

東京で活動したいならお金の管理を徹底するべし

東京は非常に便利ですし、プロを目指しているアーティストもたくさんいます。音楽活動をしていくには楽しい場所ではありますが、お金がかかってしまうのが大きなネックです。家賃を抑えると楽器などの練習はしにくくなり、それなりの場所に住もうとするとお金がかかり、音楽ではなくてバイトがメインになってしまいます。

「お金持ちの家の子じゃないと音楽家にはなれない」なんて昔から言われますが、東京においてはあながち嘘ではありません。全て両親が支えてくれるのならいいのですが、それ以外ならやはり、東京での一人暮らしはお勧めできません。「でも東京で活動していきたい」という方は、以上を参考にして頑張ってください。

ちなみに、「プロになるため上京して音楽専門学校へ!」という若い人たちもいるようですが、全く同じ気持ちで上京して通ってきた僕からしてみると「絶対にやめておけ!」としか言えません。詳しくはこちらの記事をどうぞ。